大人のピアノの経験者が独学で練習を再開するときの方法
コロナの影響で巣ごもりする人が増え、大人のピアノを再開する人があとを絶ちません。しかし、ピアノ経験者でもレッスンを始めると、以前のように指が動かなかったり、楽譜が読めなかったりと感じることがあるようです。
しかし経験者であれば、時間が経つうちに、体が徐々に反応して指が動き出し、ピアノを弾く姿勢も美しくなるでしょう。
幼い頃に身につけた経験は、何十年経ったあとでも身についています。この記事では、経験者が大人のピアノを独学で始めるときの練習の仕方や注意点について紹介します。
経験者が大人のピアノを独学で始められるか
経験者であればわかりますが、ほんの数日ピアノの練習をしないだけでも、指が動かなくなってしまい、うまく弾けなくなります。そのため、経験者とはいえブランクの時間が長いと、独学でピアノを学べるのか不安に思う人も多いようです。
しかし、ブランクがあっても大人のピアノを再び学べます。楽譜の見方や指の動かし方などを少しでも覚えていれば、初めてピアノを習う人よりも簡単に上達します。ピアノを奏でる感覚は、スポーツのように、体が自然に覚えています。
そのため今は思い出せなくても、ピアノを弾いていくうちにコツを思い出せるようになります。
また、大人のピアノを始めるときは、発表会の結果を気にせずに、好きな曲を好きなように弾けるという利点があります。自分の気に入った曲をリラックスした雰囲気で弾く大人のピアノは、仕事の息抜きとしておすすめです。
経験者は以前に得意だった曲で練習すると良い
経験者が大人のピアノを再開するときには、以前に使用していた楽譜を再び使うと良いでしょう。
自分が得意だった曲を5つか8つくらい見つけると、難易度は低くても、大人のピアノの練習に効果を発揮します。楽譜を見ればなんとなく思い出せるけど、記憶が怪しいと思う曲が練習には最適でしょう。
長いブランクを経て再開するときには、ソナタやエチュードのように難易度が高い曲ではなく、指を動かしやすい、リハビリに向いた曲から始めることをおすすめします。
小さい頃にピアノを習った経験者でも、何度も弾いた曲は体が弾き方を覚えているものです。
鼻歌で旋律を奏でたときには思い出せなかった曲でも、流れでゆっくりピアノを弾いていくうちに、勝手に指が動くことさえあります。以前に練習した曲を使用する方法を続けていき、新しい曲を覚えようとはぜずに、最低でも1ヶ月ほどは指を慣らしていきましょう。
慣れてきたら10曲ほどの楽譜を弾き返していくと、新曲で不安定な指の動きをするのよりも、はるかに早いスピードで感覚が戻ってきます。
経験者が大人のピアノを再開するときには、以前のように演奏できなくても意気消沈しないことが大切です。
大人になって、忙しい生活を送っているなかで、以前に練習した曲を弾いて訓練する1ヶ月だけは、辛抱することをおすすめします。
電子ピアノを使用している人は、音色を変更してみたり、転調したりして気分を一新すると飽きずに続けていけます。
練習するのが有名な曲であれば、インターネットの動画サイトで別の楽器で演奏した動画が見つかる可能性があります。動画と一緒にピアノを弾いてみるのも、曲の新しい一面が見えてきて、練習が楽しくなります。
経験者が大人のピアノを練習するときにはゆっくり弾く
久しぶりにピアノに向かって、大人のピアノを練習するときには、1時間ほど演奏すると気持ちが慣れてきて、高速で曲を弾けるようになっていきます。しかし、以前より回らなくなった指に嫌気がさし、すぐに練習を諦めてしまう人が多いようです。
経験者であってもブランクの長い大人は、遅いスピードで曲を練習したほうが良いでしょう。
以前に指の腱鞘炎や手首の関節炎を経験した人や、中高年になって大人のピアノを再開するケースでは、特に注意が必要です。子どものときのように指を叩きつけていたら、次の日には手首に違和感が出るかもしれません。
経験者が大人のピアノを再開したばかりのときは、まず手の筋肉が奏でる曲に追いつくことが大切です。そのため、練習時間は負担のない1回20分程度から始めるようにしましょう。
手と気持ちの準備ができたら、最大で30分、40分、最終的には1時間くらいまで延ばしていくと良いでしょう。曲を奏でるスピードについても同じです。まずはスピードを遅くして練習し、初日は半分のスピードから始めて、徐々にスピードを戻していきます。
1日目や2日目は遅いスピードに違和感があるかもしれませんが、拍子抜けするくらい遅いスピードが、あとの成長には欠かせません。
経験者が大人のピアノを再開するときの注意点
経験者であってもブランクがある人が、独学で大人のピアノを再開するときには、すぐに成果が出ない可能性があります。
ピアノは楽器のなかでも、スキルを上げるのに時間がかかるので、小さい頃の経験があっても、当時と同じように演奏できるとは限りません。また、独学で練習すると、間違った癖がついてしまう可能性があるので注意しましょう。
一度ついた癖は簡単に直せないので、非効率的な練習を繰り返し行うことになります。
経験者が大人のピアノを再開するときは、感覚を取り戻すために、基礎練習から始める必要があります。基礎練習のときには、正しい姿勢や記号のタイプ、指を動かす練習など基本的なことを繰り返すので、飽きてしまう人が多いようです。
しかし、基礎練習をしないで曲を演奏すると、上手にできずに諦めてしまうかもしれません。
特に独学で学ぶと、基礎練習ばかりが続いてモチベーションが下がりやすいので、10分だけ自分の好きな曲を練習するなど、メリハリの利いた練習法を考えると良いでしょう。
何年も経ってから練習を再開すると、楽しくなって弾きすぎてしまう場合もあります。楽しく弾けるのは良いことですが、日常生活で使用しない関節や筋肉を使うことで、けがや痛みが生じる可能性もあります。
特に、間違った姿勢で長い時間ピアノを弾くと、腱鞘炎を引き起こす可能性が高いので気をつけましょう。
痛みを我慢して練習し続けると、手首や指が動かなくなり二度とピアノを演奏できなくなる可能性もあるので、違和感や痛みが生じたら練習をストップして、治療を始めると良いでしょう。
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