ーピアノの中古市場を失敗なく活用するコツー

ピアノの中古市場が注目される理由

新品は安心感がある一方で、予算や設置条件の都合で選択肢が限られることもあります。中古市場なら同じ予算でもワンランク上のモデルに手が届いたり、サイズや音色の好みに合う一台に出会えたりします。教室の練習用や趣味の再開など、目的に合わせて柔軟に選べる点が魅力です。

中古はお得に見えますが、状態や整備内容で満足度が大きく変わります。ここでは良い点と注意点を整理して、納得して選ぶための考え方を押さえます。

中古で得られるメリット

・予算内で上位グレードを狙える
・生産終了モデルなど選択肢が広い
・弾き込みで音が落ち着いている個体もある
・納品までの流れが比較的早い場合がある

注意したいデメリット

・保管環境の影響で内部に劣化が出ることがある
・調律や整備の品質に差が出やすい
・搬入経路や湿度管理の準備が不足すると不具合の原因になる

購入前に確認したいチェック項目

初心者ほど見た目がきれい、有名な型番といった印象で決めがちです。中古は一点物なので、音・タッチ・整備の3点を軸に確認すると失敗が減ります。難しければ、弾ける知人に同行してもらうのもおすすめです。

本体の状態をチェックする

まず鍵盤の戻りやばらつき、異音の有無を見ます。ペダルの効き、弱音から強音までの出しやすさも大切です。外装は小傷より、反りや割れ、におい（カビ臭など）を優先して確認しましょう。

整備内容と保証・アフターを確認する

整備済みと書かれていても範囲はさまざまです。調律の実施時期、消耗部品の交換有無、納品後の無料点検や調律サービスの条件を確認します。保証期間と対象範囲（鍵盤、ペダル、内部機構など）も、購入判断の大事な材料です。

売却を考える人が知っておくと得すること

中古市場は状態が良いほど高く売れるだけでなく、情報が揃うほど安心して買ってもらえる傾向があります。直近の調律記録、購入時期、保管環境（湿度対策の有無）を整理しておくと交渉がスムーズです。売却前に簡単な清掃をして、搬出経路を確認しておくと手間も減ります。

最後に

ピアノの中古市場は、条件が合えばコストを抑えつつ満足度の高い一台を選べるチャンスがあります。その反面、整備とアフターの差がそのまま弾きやすさや維持費に響きます。目的と予算を決めたうえで、状態確認と保証条件を丁寧にチェックし、納得できる形で購入・売却を進めましょう。