ー大人のピアノを習っている人がコンクールに参加するメリットー

近年大人のピアノの人気が高まっているので、大人が参加するコンクールも増加しています。しかし、ピアニストになる目標があるわけでもなく、大人のピアノを始めた人にとっては、コンクールに出場する意味があるのか疑問に感じます。この記事では、大人のピアノを習っている人がコンクールに出るメリットと、出場するときの注意点について紹介しています。

 

大人のピアノを習っている人がコンクールに参加するメリット

コンクールに参加することで、練習する目標ができるため、普段のモチベーションが上がり、ピアノのスキルも向上します。大人のピアノの練習を続けていくときに、目標がないと練習が億劫に感じてしまいます。しかし、コンクールに出場する、という目標ができれば集中力も高まります。また、一つの曲をひたすら練習することで、音楽の深い部分を知る機会にもなります。

 

大人のピアノは独りで演奏できるため、自分のペースで上達できることがメリットですが、いつも独りで学習すると、孤独に感じるものです。コンクールに出場すれば、同じように大人のピアノを始めた仲間と交流できます。他の人の演奏を聞いて鼓舞されることもあり、ピアノが好きな友達とコミュニケーションが取れることも貴重な機会と言えるでしょう。同じ志を持つ仲間の中にいることで、大人のピアノを続けていく楽しさを感じられます。

 

人の前でピアノを弾くことは、独りで演奏するときでは体験できない経験です。人から見られることは緊張しますが、毎日の練習の結果を肌で感じ取れることは貴重な機会でしょう。コンクールのために毎日練習して、弾き終わったときに感じる達成感や充実感は、自信を高めてくれます。また審査員の、客観的な感想を聞けることも、大人のピアノを上達するきっかけになります。審査員はピアノ演奏の知識を持った人で、ピアノ教室の先生ではない人の感想を聞く機会は、コンクール以外では無いのでとても大切です。

 

さらに、コンクールに出場すれば、普段では触れることのできない高級なピアノを演奏できることも、申し込むメリットの一つです。音響装置が整った会場で演奏すれば、普段耳にしているのとは異なる音色を感じることもできます。

 

コンクールに参加するときの注意点

コンクールに出場すれば、自分と同じくらいの年齢の人や、自分よりも後からピアノを始めたのに、上手な人が大勢いるので、他の人の演奏を聞いて自信を無くす人もいます。また、大勢の人の前で演奏するだけで、体が硬くなり、練習の通りにいかず、コンクールが心の傷になってしまうケースもあります。実力の差を感じて落ち込み、普段の練習のモチベーションが下がらないように注意が必要です。

 

コンクールでは点数で演奏が評価されるので、結果だけを見ていると落ち込んでしまうかもしれません。しかし音楽は個人の表現方法なので、本当は点数を付けることもおかしなものですが、コンクールのときには点数で順位が決まってしまいます。結果にこだわりすぎると、点数を取るだけの演奏をしてしまい、ピアノを弾いていても楽しくなくなります。そのため、結果は気にせずに、演奏できたことを喜べるように注意しましょう。

 

別の注意点として、コンクールに参加するときには、予選や本選などが開催される場所に行くだけでもお金がかかります。コンクールのためのレッスン代や衣装代なども、準備しなければなりません。コンクールに参加することには、費用面の負担がありますが、参加することを検討しているならば、一度申し込んでみると良いでしょう。自分が習っている曲を大勢の人の前で演奏する機会は、普段は味わえない貴重な体験になります。

 

大人のピアノのコンクールについて

大人のピアノの初心者や長いブランクのある人は、エリーゼ音楽祭を目指すと良いでしょう。参加している人の大部分は社会人で、高校生から大人まで幅広い年齢層が参加できます。

 

参加できる資格は、中学を卒業した15歳以上の人であれば自由に出場できます。コースもレベルに応じて分けられ、レベルに関係なく多分野にわたる部門があり、音楽を楽しみたいアマチュアにもおすすめのコンクールです。演奏する曲も自由に選べます。シニアのためのコンクールで、自分のレベルを確認して、スキルアップを考えている人には、目標にすると良いでしょう。

 

大人のピアノの練習を続けていくと良い理由

ピアノを弾くときには、左右の指で違う動きをするので、脳を活性化させる効果があると言われています。また、目では楽譜を見て、耳では音を聴き取ろうとするので、幾つもの行動を同時に行うことでも脳に刺激を与えます。そのため、大人のピアノを続けることは認知症の予防にもなります。報告によるとピアニストは認知症になりにくく、長生きすると言われています。理由は脳に繋がる神経が指先に集中しているため、細かい動きをすることで、脳に良い影響を与えているためと考えられています。

 

大人のピアノにはストレスを解消させる効果もあります。仕事などで落ち込む事があっても、いざピアノの練習が始まると演奏に集中できます。楽譜を見て指を動かしながら、楽器を演奏する作業は、考え事をしているとスムーズにはできないので、雑念を捨てて集中して演奏している間に、自然に頭が切り替わり、嫌なことを忘れられます。

 

大人のピアノを始めたばかりのときには、考えたように指が動かずに、辛い思いをすることもあるかもしれません。しかし、練習を続けていくうちに流暢に弾けるようになります。成長を実感していくと精神が安定して、レッスンへのモチベーションが上がるので、コンクールの結果に関係なく、ピアノの練習を続けることには意義があります。

 

まとめ

ピアノを弾くことには、脳の活性化やストレス解消など大きな利点があります。コンクールに出場して同じ志を持つ仲間と交流できれば、生活にメリハリが出て、充実した日々を過ごせるようになります。趣味でピアノを弾いているだけなので、コンクールには参加しなくても良いと思うかもしれませんが、大人になってから大勢の人の前でピアノを弾く機会は貴重な経験と言えます。