ー経験者が大人のピアノを再開するときのメリットについてー

近年では、子どものときにピアノを習っていた経験者で、大人のピアノを再開する人が増えています。

しかし、以前にピアノを習った経験があっても、ブランクがあると感覚が曖昧になっているものです。

そのため、やる気はあっても、どのように始めれば良いかわからないと戸惑う人も少なくありません。

この記事では、経験者が大人のピアノを再開するメリットや、おすすめの練習方法について紹介しています。

 

大人のピアノを再開するのは簡単か

経験者であれば知っていることですが、ピアノは僅かな期間でも触らなかっただけで、思うように指が動かず、上手に弾けなくなります。

そのため、経験者であっても長い時間のブランクを経て、大人のピアノを再開するのは不安に感じる人もいます。

 

しかし、たとえブランクがあっても、大人のピアノは再開できます。音符の読み方や指の使い方などを少しでも覚えていれば、初心者と比べると、経験者であれば早く上達できます。

ピアノを演奏するときの感覚は、スポーツのように体に刻まれるため、すぐに昔の感覚が戻らなくても、ピアノを弾いているうちに思い出せるようになります。

 

経験者が趣味で大人のピアノを再開するときには、演奏会など結果を気にせずに、好きな曲を独学で演奏できる利点があります。

好きな曲を楽しみながら弾けるので、大人のピアノは仕事の息抜きとして人気が高まっています。

 

経験者が大人のピアノを自分だけで再開するには

経験者はまず昔の感覚を思い出すためにも、初級のレッスン本を復習すると良いでしょう。

イスの座り方や指の使い方、楽譜の読み方などは、意外に忘れていることも多いので復習が必要です。

 

基礎を思い出せないまま練習を始めると、悪い癖がついて肘を痛めたり、独自の楽譜の読み方をしてしまうので注意しなければなりません。

そのため、使い古しでも良いので、以前に使用していたレッスン本を読み返すと良いでしょう。

レッスン本を読むことで、昔の記憶が蘇り感覚を思い出せるようになります。

 

経験者でもブランクがあると、読譜力が下がりやすいので、練習を再開したときにもどかしい思いをしてしまうかもしれません。

練習するときには、記号の意味や音の長さを読み込み、口に出して歌う練習を繰り返すことで、徐々に耳から入る音と目で見る楽譜が頭のなかで繋がります。

 

基礎練習を繰り返したら、ピアノに触れる感覚を思い出すことも大切です。

しかし、すぐに曲を弾くのはレベルが高いので、簡単な曲の練習から始めると良いでしょう。

例えば、指の使い方について書かれた本などを使用することもできますが、あまりにも簡単な内容だと退屈に感じるかもしれないので、初心者が使用する練習曲などを参考にピアノを弾くこともできます。

 

経験者が曲を弾くときには、昔のように両手で弾けるだろう、最初から最後まで弾いてみようと思いがちですが、まずは部分的に練習することが大切です。

自分への期待が高く、昔と同じレベルを求めてしまうと、上手く行かなくて気持ちが下がってしまうかもしれません。

 

まずは片手だけで弾くことや、1部分の練習から始めると、指や脳の準備運動になり感覚を思い出しやすくなりますし、理想と現実の差を感じてやる気を無くす心配もありません。

大人のピアノを再開するときには、簡単だと思う練習から始めると、自信がついて練習を継続していけます。

 

ピアノを弾くことが形になってきたら、自分が弾いた曲を録音して、あとから聞いてみると良いでしょう。

楽譜に沿って弾けているのか、苦手な部分は無いかをチェックすることで、上達するスピードが早まります。

録音したデータを残しておけば、時間が経ってから音源を比べることができ、上達を感じてやる気が上がります。

 

大人のピアノは脳に効果がある

ピアノを弾くときには、目で楽譜を読んで脳で認識して、脳からの命令によって指を動かして、耳で音をよく聴くという動作を繰り返します。

このような処理を早いスピードで行っているので、大人のピアノは脳に良い影響を与えます。

年齢が上がるに連れて、物忘れが酷くなってきますが、ある研究によると、痴呆やアルツハイマーの原因は、手足への刺激が低くなることが関係しているようです。

 

早いうちに手足に刺激を与える習慣を身につければ、脳の血行を良くして、痴呆やアルツハイマーを予防できる可能性が高くなります。

実際にピアノの奏者やアーティストなど、手足を使用して常に脳に刺激を与えている人は、痴呆になりにくいという結果もでているそうです。

ピアノを弾く人のなかには、70歳から80歳でも現役のプロは多くいます。

また、経験者で60歳から大人のピアノを再開した人でも、ピアノが流暢に弾けるようになる人も多いので、楽しく脳の運動ができ、年を取ってから始めるのも良いと言えるでしょう。

 

経験者が大人のピアノを再開するときにはピアノ教室に通うと進歩が早い

ブランクがあっても、独学で大人のピアノを再開することはできます。

子どものころに習っていた期間や練習量によっても違いますが、再び練習を始めるときに基礎からしっかり復習すると、早く昔の感覚を思い出せるようになります。

 

しかし、自分ひとりで大人のピアノを再開するときには、思うような結果にならずにやる気を無くしたり、ケガや手の痛みなどが生じることもあるので注意が必要です。

そのため、短い時間で感覚を取り戻したい人は、ピアノ教室に入会してプロの講師に教えてもらうと良いでしょう。

ピアノ教室の雰囲気が気になる人や、講師との相性が不安なときには、一定期間だけの体験入会を申し込めば安心できます。

 

まとめ

大人になると、練習するための時間を取り分けることが大変になります。

経験者が大人のピアノを再開したばかりのときは、練習できる時間が少ないと、感覚を取り戻すことに苦労します。

普段仕事をしている人は、毎日夜に少しだけ練習する時間を設けたり、主婦の人は、毎日効率良く家事や育児を終わらせて時間を作ることが大切です。

 

ピアノの練習に充てる時間を設けると、前と比べて仕事と生活のリズムが良くなったと感じる人が多いようです。

毎日ぼんやり暮らしていた人でも、大人のピアノを再開したことで生きがいができる人も多くいます。